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政府傘下ベトナム社会保険機関(Vietnam Social Security=VSS)は、現行の紙製の医療保険カードに代わるプラスチック製の電子医療保険カードを2020年1月1日から発行する。
電子医療保険カードは現金自動預け払い機(ATM)カードと同じサイズで、保険加入者本人の情報を保存したチップを搭載する。これにより、加入者は医療機関にかかる際に身分証明書を提示しなくても指紋や顔認識などの生体認証で本人確認が可能となる。
電子医療保険カードには、氏名、医療保険コード、カード発行日のみが記載され、性別や住所などの個人情報と診療履歴が全てカードに保存される。
電子医療保険カードにより、医療機関も経費節約や患者の受け入れ・管理の時間短縮、健康診断や治療の履歴の確認、適切な投薬などが可能となり、利便性の向上が期待される。
VSSはさらに、カードの切り替えや情報の変更、カードの回収などに関する行政手続きを簡素化するほか、審査や診療費の決済にかかる時間も短縮し、保険基金の悪用を防ぐなどの策を講じる。
現在、ベトナム全国における医療保険加入者数は全人口の89%にあたる8450万人となっている。政府は2025年までにこの割合を95%まで引き上げる目標を掲げている。