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従来型タクシー大手のビナサンタクシー[VNS](Vinasun)が、不正競争を行ったとして配車アプリを展開するグラブタクシーベトナム(GrabTaxi Vietnam)を訴えた事件で、ホーチミン市人民裁判所は12月28日に判決を下した。
同裁判所は、グラブタクシーベトナムが配車アプリの提供だけでなく、運転手の募集や配車などを直接的に行うなどしており、これが輸送会社の事業にあたるとの判断を下した。
VNSは、グラブタクシーベトナムに対して2016~2017年に同社との競争により被った不利益420億VND(約2億0300万円)の賠償金を求めているが、同裁判所は「証拠不十分」と判断し、グラブタクシーベトナムにVNSへの賠償金として48億VND(約2300万円)の支払いを命じた。
また、グラブタクシーベトナムは裁判手数料1億1200万VND(約54万円)と鑑定料3億4700万VND(約168万円)を、VNSは裁判手数料1億4000万VND(約68万円)と鑑定料20億VND(約970万円)をそれぞれ支払わなければならない。
同裁判所は、配車アプリ事業は利用者に大きなメリットをもたらしており支援していくべきだと主張する一方、税収・社会保険料の喪失の可能性が高いため、交通運輸省に対して同事業モデルに関する規定を早期に整備し、財政省と社会保険機関に対して対策に取り組むよう要請した。