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新卒者と実務経験1~2年の求職者1600人のうち、99%が業務において英語での対応が可能な一方で、ドイツ語やポルトガル語、スペイン語などその他の言語を使うことができる人材が非常に少ないことが、ベトナム最大の求職求人サイト「ベトナムワークス(VietnamWorks)」の調査で明らかになった。
英語以外の言語を要する求人が増加する中で、各言語を使うことができる人材を言語別にみると、◇日本語:15%、◇中国語:12%、◇韓国語:8%、◇スペイン語:4%、◇ドイツ語:3%となっており、ロシア語に至っては極めて低い割合に留まる。
人材紹介サービス「ナビゴスサーチ」の統計によれば、韓国語を要する求人は前年比+18%増加しており、特にハノイ市、ホーチミン市、紅河デルタ地方バクニン省で需要が高い。これらの求人で提示されている賃金は月額701USD(約7万9000円)~1000USD(約11万3000円)となっている。また、職種は需要が高い順に通訳、秘書・総務、製造、カスタマーサービス、営業など。
ホーチミン市人文社会科学大学のファム・タン・ハ副学長によると、マイナー言語の習得を希望する受験生は増加傾向にあるという。しかし、需要に対して即戦力として働ける外国語人材は依然として少ないのが実情だ。
またハ副学長は、ロシア語人材の需要が比較的高い一方で、ロシア語の習得は他の言語に比べて難しいことや、ロシア語の「黄金時代」は遠い昔に過ぎたと考える学生が多く、学習者数が伸び悩んでいると話す。学習者が少ないが故に、上級者ならば良い条件で就職できる機会が格段に増えることを意味する。ロシア語のほか、国交関係の強まりに伴ってスペイン語やイタリア語の人材に対する需要も高まっている。
これらの言語を学ぶ学生は、学費の半額~全額に相当する奨学金を得て、海外の大学院へ留学する機会にも恵まれているだけでなく、経済や貿易、国際協力、文化、教育など幅広い分野への就職も可能だ。現在の雇用市場では、英語の他に第三外国語としてもう1言語を使いこなせる求職者は就職に大いに有利になるという。
ホーチミン市人材需要予測センターのチャン・アイン・トゥアン副所長もまた、外国語学習者が英語に集中していることから、企業などの国際市場への参入に際して英語以外の言語人材が不足しているため、就職の機会を得るには英語の他に第三外国語の習得が求められると指摘する。