広島国際大学(広島県東広島市)医療福祉学部は7月28日(土)、ベトナム戦争時に米軍が散布した枯葉剤の影響で結合双生児として生まれた「ベトちゃんドクちゃん」の弟、グエン・ドク客員教授(医療福祉学科)の講演会を開催する。
ドクさんは兄のグエン・ベトさん(享年26歳)とともに結合双生児として1981年に生まれ、7歳の時に分離手術に成功した。何度も手術を受けながらも自立して生活するドクさんが、その体験をもとに、2017年4月の客員教授就任後初めての講演で国際平和都市・広島の地で平和や命の尊さについて語る。
ドクさんは7月27日から30日まで日本に滞在する。7月28日に広島国際大学東広島キャンパス講堂で「ヒロシマ×ベトナム 平和への想い」と題した基調講演を行う。続けて「広げようKAIGOの輪」と題したシンポジウムにも登壇する。講演会は無料、事前申し込み不要。
ドクさんは2016年10月、市民団体「広島ベトナム平和友好協会」の招きにより初めて広島を訪問。その際に同大学の久保田トミ子副学長に「日本で働きたい」との意思を表明したことが客員教授就任のきっかけになったという。
ドクさんは2006年に結婚し、2009年に男女の双子が生まれた。分離手術により兄弟を救った日本人の支援に対する感謝を込めて、それぞれ富士山と桜にちなみ、男の子を「グエン・フー・シー」、女の子を「グエン・アイン・ダオ」と命名している。