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地場系医薬品ディーラーのVNファーマ株式会社(VN Pharma)が書類を偽造してがん特効薬の偽造品を輸入した事件に関して、グエン・スアン・フック首相は30日に開かれた政府定例記者会見で、政府調査機関に対して保健省による輸入許可証発行を調査するよう指示した。
保健省はフック首相の指導のもと、同事件について書面で説明したが、フック首相は「不十分」として、輸入許可証発行をめぐり国内で話題になっている同省の他の問題も含めて真相を明らかにすべく、同省の責任を追及し、輸入許可証発行の調査に踏み切った。
VNファーマ元会長 兼 社長が語ったところによると、グエン・ティ・キム・ティエン保健相の家族に当たる人物が同社の副社長を務めていたという。同社はこのコネクションを利用して多額の病院向け医薬品供給契約を落札し、医薬品の輸入許可証を取得したほか、ティエン保健相に報酬としてホーチミン市2区タオディエン街区の高級住宅区にあるビラ式一戸建て住宅を贈ったとの情報が話題になっている。ただし、ティエン保健相は「事実無根」として真っ向から否定している。
今回の偽造品輸入事件では、密輸罪および書類偽造罪に問われていたVNファーマ元会長 兼 社長、副社長や経理部長、薬剤師、外部関連者など9人に有罪判決が下されており、最大で禁固12年の判決を言い渡されている。
起訴状によると、VNファーマは「へリックス・カナダ(Helix Canada)」が製造したと見られるがん特効薬「H-Capita 500mg」の輸入に必要な書類を偽造して、保健省傘下の医薬品管理局から輸入許可証を取得し、9000箱を輸入した。
同局はこの「がん特効薬」の出所を疑い、後日VNファーマの立ち入り検査を実施し、証拠品として押収し流通を阻止した。この薬はバーコード検査で製造元を確認できず、成分検査でもヒトの治療に使用できないことが分かった。