(C) vnexpress |
北中部地方ハティン省キーアイン町キーチン街区の個人農地に約100tの産業廃棄物が不法投棄された事件で、同事件に関する書類が同省公安局に送致され、環境警察が2日に正式に引き継いだ。
産業廃棄物の汚泥は同省キーアイン郡ブンアン経済区で工場を展開する台湾プラスチックグループ(フォルモサ・プラスチック・グループ=Formosa Plastics Group)傘下のフォルモサ・ハティン・スチール(Formosa Ha Tinh Steel Corporation=FHS)によるもの。汚泥は、FHSと契約するキーアイン町都市環境社が未処理の状態で地中に埋めていた。
資源環境省は2日、複数の分析結果を比較・評価した結果、幾つかのサンプルから基準値を超えるシアン化物が検出されたとし、「有害な物質が混入した産業廃棄物」との結論を公表した。ただし、農場周辺の地下水などに影響はないことが確認されている。
キーアイン町都市環境社は有害産業廃棄物処理の事業ライセンスを有しておらず、汚泥を産業廃棄物の処分が認められていない場所に埋めていたことも明らかになった。警察は、今回の事件を刑事事件として立件し、関係者の捜査を急いでいる。
これを受けてグエン・スアン・フック首相は3日、紅河デルタ地方ハイフォン市で行われた市民対話集会に臨み、「環境汚染の再発が確認された場合、フォルモサの工場を閉鎖とする」として強い態度を示した。
刑事法では、有害な産業廃棄物に関する規定に違反し深刻な環境汚染を引き起こした者、またはそれに準ずる深刻な被害を及ぼした者に対して、5000万~1億VND(約23万~46万円)の罰金を科し、最長2年の執行猶予付き禁固刑、6か月~3年の禁固刑を科すと規定している。組織的な場合や特に深刻な被害を及ぼした場合、再発の場合などは量刑が重くなり、最長10年の禁固刑を言い渡される可能性がある。