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ハノイ市バーディン区の世界文化遺産タンロン城王宮跡(タンロン遺跡)に建設された国会議事堂で19日、タンロン遺跡の遺構・遺物を展示する「地下博物館」がオープンした。これは、ベトナム社会科学研究所が手掛けるもの。
展示スペースは面積3700m2で、2つのフロアから成る。地下1階には李(リー)朝(1009~1225年)、地下2階には大羅(ダイラ、8~9世紀)から丁(ディン)朝(966~980年)、前黎(前レ)朝(980~1009年)までの遺構や遺物を展示する。
「国会議事堂地下における考古学的発見」と題した同展示では、李朝時代の宮殿を再現し、同時代の建築装飾や瓦・瓦当、土器といった遺物400点余りのほか、陳(チャン)朝(1225~1400年)時代の井戸などの遺構を展示している。
また、李朝時代の建築について解説する約15分間の映像を上映するほか、同遺跡の発掘調査現場や発掘用の道具、考古学者の発掘中の様子なども、50分の1サイズのジオラマで紹介する。
新国会議事堂は2009年10月に着工され、約5年後の2014年に完成した。地上5階・地下2階建てで、延べ床面積約6万m2の正方形の建物となっている。
2002年に発見されたタンロン遺跡は、ベトナムの歴代王朝の遺構が重なり合った巨大な宮殿遺跡。2010年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されたが、同地に新国会議事堂が建設されたことで遺跡の一部が破壊され、問題となっている。