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東北部クアンニン省ハロン市で「熊胆」目当ての観光客向けツアーを主催していたクマ農場2か所が、10月までに活動を停止したことが明らかになった。
同市では、2007年ごろからクマ農場6か所で「熊胆」ツアーが実施され、ハロン湾ツアーのオプションとして観光客の人気を集めていた。各クマ農場では計281頭が「熊胆」の採取目的で飼育され、このうち80頭は違法に飼育されていたという。同ツアーに参加した観光客は、クマ農場を訪れ、胆汁の採取を見学したり、胆汁を購入して自国へ持ち帰ったりする。しかしこういったツアーは、ベトナムの法律及びワシントン条約(CITES)に違反するとして問題視されていた。
これを受けて同省文化スポーツ観光局と人民委員会は、2007年以降取り締まりを強化し、同市内6か所のうち4か所のクマ農場を閉鎖。2014年1月には、残る2か所に対しても「熊胆」ツアーの主催を禁止し、3月からはこれら2か所のクマ農場の活動を監視していた。野生動物の保護を訴える自然教育センター(ENV)によると、5月から現在までの間に、同クマ農場へ観光客が訪れることはなくなり、クマ農場は活動を停止したという。
なお、「熊胆」はクマ由来の動物性生薬で、滋養強壮剤として酒などに混ぜて摂取すると肝臓病などに効果があるとされている。特に、韓国では「熊胆」に対する信仰が根強く、同ツアーへ参加する観光客も韓国人が中心となっていた。