腐敗・汚職に対して取り組む国際的な非政府組織トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)は、今月初めに発表した世界腐敗レポート(GCR)の中で、ベトナムの教育分野において汚職が横行している現状を報告した。サイゴンタイムズ紙(電子版)が報じた。
TIは同レポートの教育に関するセクションで、評価の高い学校に子供を入学させるため、保護者による贈賄が広く行われているベトナムの現状を数ページにわたって報告した。それによると、こうした汚職は小学校の段階から発生しており、有名小学校に入学するための賄賂は約3000ドル(約29万円)、中間的な評価の学校では300~800ドル(約3万~7万8000円)が相場となっている。
また同レポートでは、ザンチー紙が約2万人を対象に行ったオンライン調査の結果を引用し、子供の入学を許可された保護者の62%が「希望する学校に子供を入学させるため個人的な関係や金銭を利用した」と回答した、と紹介している。
同レポートは、「貧しい子供たちは学区内に住んでいるにも関わらず学校から追い出されたり、賄賂を払えないために差別されたりしている」とし、こうした腐敗は教育の機会の平等性を損ねると指摘。多くの保護者、教師、学校関係者が贈収賄に関与している現状で、先ずなすべきことはその悪影響に対する認識を広めていくことだ、と提言している。