ハノイ市人民評議会の各議員に業務用としてタブレットPCが支給されてから約1年が経過した。最近、多くの省市の人民評議会でもタブレットPCが導入され始めているが、経済状況が厳しいこの時期に多額の予算を費やすことに批判的な声も上がっている。16日付グオイドゥアティンが報じた。
数キロに上る大量の紙の資料を抱えて議会に出席する不便さが、タブレット端末導入によって解消されることに、反対する人はほとんどいない。紙、印刷、郵送の各費用の節約にもなる。ただし、その効果を疑問視する人は多い。
議員には高齢者が多く、端末をうまく使いこなせる人が少ないことは確かだ。また、紙代や印刷代の費用は、端末に比べればそれほど高くないという意見もある。ある議員の試算によると、年2回の議会に100人の議員が出席すると仮定すると、紙代などの費用は年間約2億ドン(約94万8000円)だが、端末導入には30億ドン(約1420万円)掛かり15年分に相当するという。
中央経済管理研究所(CIEM)元所長で経済専門家のレ・ダン・ゾアイン氏は「タブレットPCは仕事の助けになる便利な道具で、いずれ導入する必要があるだろう。しかしその効果となるとまだ分からない。医療、教育、貧困対策など民生上の問題を抱えている上、予算が厳しい今の時期に導入するのはいかがなものか」と話している。