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ホーチミン市熱帯病病院のボー・ミン・クアン医師は29日、ベトナムに初めて出現した人間の脳を食うアメーバ寄生虫に感染した患者が死亡したことを明らかにした。患者のTさんは7月30日に高熱と意識不明の状態で入院したが、治療の手段がなく回復の見込みもないとして翌31日に家族が自宅に連れて帰り最期を看取ったという。29日付タインニエン紙(電子版)が報じた。
Tさんは入院の約1週間前、故郷の南中部フーイエン省で家の近くの池に潜って貝を採り、その後発熱と頭痛の症状が出たため、ホーチミン市のザーディン病院に入院、髄膜脳炎との診断を受け熱帯病病院に転院していた。同病院の検査でTさんが「フォーラーネグレリア」と呼ばれるアメーバに感染したことが分かった。
クアン医師によると、このアメーバは湖沼などの淡水に生息しており、人の粘膜や鼻孔から体内に侵入し、神経繊維をたどって脳に達するという。これまで国内でフォーラーネグレリア感染例が報告されたことはなかった。世界でのこれまでの感染例は数百ケースと少ないが、感染した場合の死亡率は約98%と非常に高い。