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- 前回の+6.8%から+5.8%に下方修正
- 国際貿易政策による変動の影響大
- 26年は+6.1%、27年は+6.4%の予想
世界銀行(WB)は先般発表した最新レポートの中で、ベトナムの2025年における国内総生産(GDP)成長率予想を前回レポートの+6.8%から+5.8%へと▲1.0%pt下方修正した。理由として、世界的な貿易政策の不確実性や経済成長の減速などが挙げられている。
WBは、輸出入がGDPの約170%を占めるベトナム経済について、国際貿易政策による変動の影響を受けやすいと指摘しており、米国がベトナムの輸出額の約30%、中国が輸入額の約38%をそれぞれ占める主要な貿易相手国であることを強調した。
また同機関は、世界経済の減速や貿易制限の強化、政策の不透明感がベトナムの輸出や対越海外直接投資(FDI)に影響を及ぼす可能性があると警告している。一方で、貧困率は2024年の3.8%から2025年には3.6%まで改善し、インフレ率は+4.5〜5.0%の範囲に収まると予想した。
WBは今後の政策として、公共投資の拡大、財政リスクの軽減、構造改革の推進を重要視しており、特にインフラ、エネルギー、通信、交通分野の制度改革やビジネス環境の改善、グリーン経済への移行、人材投資の強化が不可欠だと指摘している。
中期的には、ベトナムのGDP成長率は2026年に+6.1%、2027年に+6.4%と予想されており、依然として東南アジアで最も高い成長率を維持する国の一つと評価されている。