28日付ザンチーによると、中部高原地方コントゥム省ダクトー郡ポコ村トゥーペン集落に住む少数民族のロンガオ(Ro Ngao)族には、嫁入り前の女性が森の奥深くへ入って、栗の木の薪を拾い集める慣習があるという。集めた薪は結納品として、女性から将来の夫の両親に贈られる。
ロンガオ族にとって薪は各家庭に欠かすことのできないもので、年頃の年齢に達した若い女性たちは皆、森に入って薪を集めることが昔からの習わしになっている。集めた薪の良しあしや量が、男性への愛の証しにもなり妻としての器量の評価にもなる。
薪は真っ直ぐで長さ約80センチメートルに切り揃えられ、皮をきれいにはがし、両端が平面または尖端状でなければならない。こうした厳しい決まりがあるため、娘たちは薪集めに2~3年の歳月を費やす。
村の長老によると、以前は村の近くに森があったため人に助けを求めることは禁じられていたが、今では森も消え娘たちが自分一人で薪を集めることは危険とも言える状況になった。そのため、人を雇って薪集めの手伝いを頼むことも許されるようになったという。
結納品として引き渡された薪が、夫の両親に気に入られれば盛大な結婚式が待っている。しかしそうでない場合は、薪を突き返されて婚約も破談になってしまうという厳しい世界だ。