最高人民検察院のチャン・クオック・ブオン院長は25日、オーストラリアでのポリマー製紙幣印刷に絡む贈収賄事件について、最新の情報を収集中だと明らかにした。
オーストラリア警察当局は昨年5月、ベトナム・インドネシア・マレーシア・ナイジェリアの4カ国のポリマー製紙幣製造業務を受注するため、各国の幹部公務員に賄賂を提供した疑いで、オーストラリアのポリマー紙幣製造業者セキュレンシー社の捜査を開始した。同国のメディアは、当局の捜査によりセキュレンシー社がベトナムのCFTD社とその子会社バンクテク社に数百万ドル(数億円)を提供したことが分かったと報じている。
ブオン院長は「十分な証拠が揃ったら処理する。分かっているのは会社名だけで、具体的な個人名についての情報はまだ入っていない。引き続き情報を収集する」と述べた。
外国が絡む贈収賄事件に関連してブオン院長は、円借款事業のコンサルタント契約受注を巡って起きた「パシフィック・コンサルタンツ・インターナショナル(PCI)」の汚職事件についても言及。26万2000ドル(約2130万円)を収賄した罪で終身刑の判決を言い渡されたフイン・ゴック・シー被告の別の収賄についても調べを継続中だと述べた。また、この事件に関する日本との捜査協力は良好だったが、より良い協力を行うためには司法共助協定を締結する必要があると語った。