ホーチミン市12区にあるチャンクアンカイ中学校の9年生(日本の中学3年生に相当)グエン・ティ・タイン・タオさんは、ふだん数学の成績は上々で高校入学試験当日も特に問題なく解答したにもかかわらず、結果が0点であったことから、同市教育訓練局に数学の解答用紙の再チェックを申し出た。
中学校でタオさんに数学を教えているグエン・ティ・キム・ロアン先生は「平均的な生徒でも数学で10点満点のうち4.75点を取っている。数学の得意なタオさんが0点を取るとは考えられない」と語った。
同局はタオさんの解答を再チェックし、同日中に彼女の点数を8.5に修正した。解答用紙には当初から8.5と記載されていたが、入力段階でミスがあり0になっていたという。タオさんは点数の見直しを申請したが、同局の採点見直し委員会は再び入力時にミスを犯した。このため、採点の見直しによって点数が変更された全生徒のリストを公表した際、タオさんの名前はリストに入っていなかった。同委員会は「タオさんの点数は最初から8.5点だったので『変更』はなかったから」と言い訳。しかしこの出来事は市民らの怒りを買っている。
同局は一連の出来事を重く見て、採点に関与していた同局のレ・ホン・ソン副局長らに厳重注意を与えた。