北部地方を中心に電力不足が深刻になっている。20日午前7時現在、北部地方ホアビンダムの水深は80.6mで稼動停止水位(水深80m)まであと0.6mと迫った。ホアビン水力発電所は北部地方における電力需要の43%を供給しており、ダムの貯水率が改善しなければ、最近の猛暑による電力需要に対応できず、数十年ぶりの電力危機に陥る可能性も出てきた。
この事態にハノイ人民委員会は17日、市内の街灯、公園照明の点灯時間を50%削減するよう関係機関に指示した。また首相は19日、ベトナム電力総公社に対し、主要工業分野と国防関連機関への電力供給を最優先するよう指示した。このほか20日、ベトナム電力総公社は報道記者会見を開き、22日より500KVのダナン−ハティン送電線から1日400KWの電力を北部地方に送電すると発表した。また、既にハノイ市やハイフォン市、ハイズン省で一日あたり600~700kWh程度の電力供給制限を実施していることを明らかにした。
電力総公社ではホアビンダム稼動停止水位の水深80mを下回る水深75mになるまで発電を続ける計画。