(C) tuoitre, フエ死刑囚(中央) |
東北部地方クアンニン省の刑務所で服役中の死刑囚が妊娠した事件で、胎児のDNA鑑定を行う必要性が浮上している。
妊娠したグエン・ティ・フエ死刑囚(42歳)は、麻薬売買の罪で2014年6月から同刑務所に拘置されている。同死刑囚は、同じ刑務所で服役中の男数人に精子の提供を求めたというが、現在までのところ、精子提供の事実を認めたのは1人のみだ。
フエ死刑囚は2015年8月、この男が自分の精子を注入したアンプル(液体薬の入ったガラス製筒状容器)を2回にわたり受け取り、1人で受精、妊娠したと供述している。
フエ死刑囚とこの男の供述に一致しない点があることから、真相を明らかにすべく精子を提供した疑いが持たれる男らと胎児のDNA鑑定を行い、親子関係を特定する必要が生じている。
これについて保健省のグエン・ベト・ティエン次官は、「胎児のDNA鑑定は十分に可能だが、流産の危険が高まる。DNA鑑定は、出産後に延期すべきだ」と提案している。
ティエン次官によると、精子は常温で約2~3時間生存できるが、アンプルで精子を注入するという粗雑な方法での受精の成功率は1%未満に過ぎない。産婦人科病院で先進的な方法によって受精させる場合の成功率も50%未満程度に留まっているといい、フエ死刑囚の妊娠の方法に疑問を呈している。