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15日午前5時ごろ、東南部ビンズオン省トゥアンアン町ビンフー地区の路上に止まっていた車の中で男女2人が死んでいるのを、近くの会社に勤める警備員が発見した。死亡していたのはホーチミン市12区在住のディン・カック・トゥーさん(男性・42歳)と同市ゴーバップ在住のブイ・リエン・トイさん(女性・38歳)。
トゥーさんとトイさんは発見時、運転席と助手席に座ったまま、互いにもたれかかった状態で死んでいた。2人とも拳銃で撃たれており、トゥーさんは胸部に2発と頭部に1発の計3発、トイさんは体中に計7発の弾痕があった。警察は、車内から拳銃1丁と弾殻数弾を押収し、車のガラス窓を撃ち抜いて車外まで飛んだと見られる弾殻も発見した。
地元住民によると、この車は前日の午前10時ごろから事件現場に停車しており、翌朝になっても移動する気配がなかったため不審に思った警備員が中の様子を確認するまで、銃声の1つも聞こえなかったという。
トゥーさんとトイさんは共に企業経営者で、トゥーさんは妻子がありながら、夫を4年前に亡くしたトイさんと不倫関係にあったとされている。更にトイさんは、トゥーさんの妻の親友でもあったという。警察の事情聴取に対しトゥーさんの妻は、「これまでに何度も2人に別れるよう求めたが、応じてもらえなかった。夫は会社の経営が傾き始めた2014年初頭から、ストレス解消のためにカンボジアのカジノに出入りするようになり、多額の借金を抱えてしまった。借金を返済するため、銀行から10億VND(約480万円)を借りるよう私に求めたこともある」と話している。
この事件について現在までのところ、トゥーさんがトイさんを殺害した後、後追い自殺をしたのではと推測されている。しかし、仮にトイさんを撃った後にトゥーさんが自身を撃ったとすると、急所を含めて3発も自身に向けて撃てるはずもなく、また誰にも銃声が聞こえなかったことや、トゥーさんが賭博で多額の借金を抱えていたことなど不審な点が多いため、別の人間が無理心中に見せかけて2人を殺害したとも考えられる。警察は事件の全容を把握すべく、捜査を急いでいる。