ハノイ市バーディン区人民裁判所は20日、グエン・タン・ズン首相の私邸前で自らに火をつけると騒ぎ立てたチャン・ゴック・アイン被告(44歳・男)に対し、公共秩序騒乱罪で禁固15カ月の判決を言い渡した。
起訴状によると、アイン被告は昨年11月5日、バーディン区にある首相私邸前で2人の警備員に向かって暴言を吐いた後、路上に倒れこんで大声をあげた。警備員に別の場所へ連れて行かれた後も同様の行為を続け、あらかじめ用意していた火炎瓶2本を取り出し、焼身自殺するとわめきたてた。しかし警備員に火炎瓶を取り上げられると、今度は持っていたバッグの持ち手を自分の首に巻きつけ、「捕まえたら自殺する」などと言って脅したとされる。
アイン被告は法廷で起訴内容を認めたが、騒動を起こした理由については「家族の土地が政府に収用された際の補償内容に不満があり、再三不服申し立てを行ったが解決されなかったため」と主張した。しかし検察側は、土地収用の問題は2001年に解決していることは明らかだと反論した。アイン被告はこれまでにも他の人々とともに公共秩序を乱す行為を繰り返し、行政処分を受けていた。