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- 鴻海精密工業子会社にSSTECの持分譲渡
- 保有する固定資産などをSSTECに譲渡
- SSTECはシャープの連結対象から外れる
シャープ株式会社(大阪府堺市)は27日、電子機器受託生産(EMS)で世界最大手の台湾フォックスコン・テクノロジー・グループ(Foxconn Technology Group=鴻海)子会社の鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry)の子会社であるフラーテイン・インフォメーション・テクノロジーズ(Fullertain Information Technologies、英領バージン諸島)に対し、シャープ子会社であるシャープセンシングテクノロジー株式会社(SSTC、奈良県天理市)が保有するサイゴンエステック(SAIGON STEC=SSTEC、東南部地方ビンズオン省)の持分を譲渡すること、及びシャープあるいはSSTCが保有する固定資産などをSSTECに譲渡することについて、フラーテインとの間で契約を締結した。
なお、今回の持分譲渡により、SSTECはシャープの連結対象から外れることになる。
シャープは、ブランド事業を中心とした事業体への変革を進めており、投資負担の大きいデバイス事業については、事業構造改革を進めつつ、他企業と連携していく方針としている。カメラモジュール事業については、成長を支援できるパートナーとして、顧客要望に応え得る投資余力と生産能力を持つフォックスコングループへの事業承継を軸に協議を進めてきた。
今回の譲渡により、シャープはデバイス事業に関する投資負担の低減を図ることができる。
SSTECは2007年9月の設立で、カメラモジュールの製造を手掛ける。資本金は610万USD(約9億6400万円)で、出資比率はSSTCが51%、エスタカヤ電子工業株式会社(岡山県浅口郡)が49%となっている。51%すべてを譲渡し、移動後の持分割合は0%となる。譲渡価格は未定。
また、譲渡する固定資産などは、有形固定資産(機械設備など)が173億3500万円(2024年6月末時点)、棚卸資産が111億9000万円(同)。譲渡価格は未定。
持分譲渡日は2025年5月30日、資産など譲渡日は2025年8月30日の予定となっている。