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5月17日から28日にかけてフランスのカンヌで開催された第75回カンヌ国際映画祭で、ベトナム人若手監督が手掛けた9分間の短編ストップモーション・アニメーション映画「Spring Roll Dream」が、「Lights On Women Award」を受賞した。
「Spring Roll Dream」は、1992年生まれのマイ・ブー(Mai Vu)監督が手掛けたもの。同作品は、学生作品が対象の短編作品賞であるラ・シネフ(旧シネファウンデーション)部門に出品され、同部門にエントリーされた全1528作品の中から、16作品のうちの1作品として本選にノミネートされた。
「Lights On Women Award」は、女性監督が短編映画を通じて創造的な志を追求することを奨励する賞。授賞式でマイ・ブー監督は、英国の女優ケイト・ウィンスレットからトロフィーを受け取った。同賞の受賞者は3万EUR(約420万円)の支援を受けることになっている。
なお、今後「Spring Roll Dream」がベトナムで上映されるかどうかは明らかになっていない。
マイ・ブー監督はホーチミン市生まれで、2011年からアニメーションに携わっている。 当初は友人に見せるために短編映画を制作していたが、2012年から2015年にかけて、ベトナムで最初のストップモーション・アニメーションシリーズ「Say Hi To Pencil!(原題:Xin Chao But Chi!)」の70話余りの監督を務めた。2020年にはアニメーションを学ぶために渡英。英国国立映画テレビ学校(NFTS)を今年3月に卒業した。「Spring Roll Dream」は、NFTSの学生たちとともに制作した、彼女の卒業制作でもある。
彼女はNFTSで学び始めた当初に「Spring Roll Dream」のアイデアを思いつき、2年以上の歳月をかけて今年初めにようやく完成した。ストップモーション・アニメーションには多くの作業工程があり、制作時間がかかるため、1か月に1分間しか撮影できないこともあったという。