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ベトナムの若者の間で絶大な人気を誇る歌手ソン・トゥンM-TP(Son Tung M-TP)が「ユーチューブ(YouTube)」に若者の自殺を助長するようなミュージック・ビデオ(MV)をリリースしたとして炎上した件について、文化スポーツ観光省は5日、審査の上でM-TPエンターテインメント(M-TP Entertainment)への処分を決定した。
問題となった新曲MV「There’s no one at all(誰もいない)」が4月28日にリリースされると、その内容が暴力的かつ自殺を肯定するものだったため、保護者や教育者だけでなく、多くの国民から批判の声が殺到した。これを受けて文化スポーツ観光省傘下の公演芸術局が調査を開始し、問題のMVを拡散する個人・組織を処分するよう関連機関に要請した。
公演芸術局の審査の結果、問題のMVには破壊や暴力を描写する多くのシーンが含まれ、特にソン・トゥンM-TP演じる主人公が飛び降り自殺するというエンディングが、視聴者とりわけ子供の心理にマイナスの影響を与えると結論付けた。
同局は現行規定に基づき、M-TPエンターテインメントに7000万VND(約38万円)の罰金を科したほか、MVの削除やMVから得た利益を国に納付することなどを命じた。
今回の大炎上には、3月下旬以降、複数の省・市で中高生が相次いで自殺して社会問題となっていたことが背景にある。特に、ハノイ市のエリート校であるハノイ・アムステルダム高校(Hanoi - Amsterdam high school)に在籍していた男子生徒が自宅マンションの28階から飛び降り自殺した出来事では、その瞬間を撮影した動画がインターネット上で拡散され、大きな波紋を呼んだ。