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藤元明緒監督による日本・ベトナム共同製作映画「海辺の彼女たち」が1日、ポレポレ東中野(東京)で公開された。5月28日(金)から宇都宮ヒカリ座(栃木)、6月11日(金)から小山シネマロブレ(栃木)、6月12日(土)からシネマ・ジャック&ベティ(神奈川)など、全国順次公開となる。
「海辺の彼女たち」は、より良い生活を求めて訪日したベトナム人女性たちを主人公に、幸せな未来を夢見ながら、過酷な現実と闘う姿を描いた物語となっている。
藤元監督は、前作「僕の帰る場所」で在日ミャンマー人の移民問題と家族の愛を描き、東京国際映画祭「アジアの未来部門」グランプリを受賞。今作でも在日外国人労働者に目を向け、実際の技能実習生や訪日後に失踪した当事者、彼らを支援しているシェルターなどでの入念な取材を基に、監督自ら脚本を執筆した。今や世界第4位の移民大国となった日本の片隅で起こっている出来事が、「海辺の彼女たち」に映し出されている。
公開に合わせて解禁された本編映像は、過酷な職場から逃げ出した3人が北国の地で出会ったベトナム人ブローカーとの会話を切り取ったもの。彼女たちは、1日15時間労働、土日も昼夜も関係なく働かされて充分な食事や睡眠もままならなかったこと、給料は天引きされた上に支払いの滞りが頻発したこと、それを上司に言えば怒鳴られたことなどをぶちまけるが、こうしたセリフはすべて実際の失踪者たちから藤元監督が聞いたリアルな言葉だという。
「海辺の彼女たち」は、2020年開催の第68回サンセバスチャン国際映画祭新人監督部門、第33回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門、第42回カイロ国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門、2021年開催の第36回大阪アジアン映画祭特別招待作品部門にも出品され、話題を呼んだ。
公式サイト:http://umikano.com/
【ストーリー】
ベトナムから来た3人の女性たち、アン、ニュー、フォン。彼女たちは日本で技能実習生として3か月間働いていたが、ある夜、過酷な職場からの脱走を図った。ブローカーを頼りに、辿り着いた場所は雪深い港町。不法就労という状況に怯えながらも、故郷にいる家族のため、幸せな未来のために懸命に働き始めたが……。
より良い生活を求めて訪日したベトナム人女性たちを主人公に、きらめく未来を夢見ながら、過酷な現実と闘う姿を描く。
【本編映像+予告編】