ベトナム市場を攻略しようとしたときに問題になる点の一つとして、田舎をどう捉えるかという点があります。9000万を超える人口を誇るベトナムですが、ホーチミン・ハノイの人口を合計しても2000万人に至らず、大多数が郊外・田舎で生活をしています。
ということで今回は、都市部の代表としてホーチミンを、また田舎の代表として キエンザン省 (ホーチミンから車で6時間ほど)における18~49歳の800名に調査を実施し、都市部と田舎の生活の違いについて探ってみることにしました。
田舎の人も皆持っているスマホとテレビ
家電製品、IT製品などの所有率を都会と田舎で比較してみると、「共に所有しているもの」と「都会では所有率が高いけれど田舎では浸透していないもの」に分かれます。例えば 洗濯機はキエンザン省での保有率は24% で、ほとんどの人が大きなたらいを使って手洗いで衣服の洗濯を行なっています。またエアコンを所有している家庭は大変少ないです。
一方で、テレビやスマートフォンについては、都市部・田舎ともに多くの人が保有をしていました。 テレビ・スマートフォンともに都市部・田舎それぞれで9割もの保有率 です。とはいえ、所有している製品には違いがあり、例えば田舎ではブラウン管のテレビを所有している人が半数以上を占め、またアイフォン(iPhone)の利用者が目立つ都市部と異なりスマートフォンも廉価な製品を利用している人がほとんどでした。
都市と田舎で異なるインターネット・ソーシャルの利用方法
インターネット・ソーシャルネットワークについてはともに人気で多くの人が1日数時間をネット利用に費やしています。とはいえ、ソーシャルの利用については大きな違いがあり、 フェイスブック(Facebook)が大人気の都市部に対して、キエンザン省ではザロ(Zalo)の方が人気が高い 結果となりました。
これには明確な理由があり、多くの人と繋がりを得ることを良しとする都市部の人に対して、田舎の人たちは家族や知人など割と近い間柄の人とのやりとりが主となっています。また日常の生活をポストしたりシェアしたりすることも都市部と比べて少ないことから、繋がりすぎてしまうFacebookよりもメッセージング機能に長けたZaloをより好む傾向にあるようです。また 30代を過ぎるとネット利用が急激に減るのも地方の特長 として挙げられます。
※【第35回】Facebook 対 Zalo!ベトナムで人気のメッセージアプリは?
田舎の人はどこでどの位買うのか?
それでは、田舎の人はどういったところで買い物をするのでしょうか?実は今回調査をしたキエンザン省には、コンビニもなく、またスーパーも3件しかありません(ホーチミンには1000店弱のコンビニと100店舗弱のスーパーが存在します)。結果的に、田舎では食料品・美容製品・ファッション製品のいずれに関しても ローカル市場での購入が大多数を占める 形になっています。また、出費額については都市部と比較して約半分程度に止まります。
EC(eコマース=電子商取引)の利用もまだまだです。ホーチミンの7割の回答者が過去6ヶ月にオンラインショッピングを利用したことがあるのに対して、 キエンザン省の利用率は12% でした。Zaloなどを使ったソーシャルコマースなどの利用が見られるものの、地方では情報の流れが遅く、また物流などが整っていないことからオンラインショッピングの本格的な浸透はこれからと言えそうです。
詳しい話はセミナーにて
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