親日国ベトナム人にとって、「和食」は最も馴染みの深い日本文化の一つです。その中でも「寿司」は最も多くの人が連想する日本食なのではないかと思います。実際にホーチミン市に住む20歳~39歳の男女500名を対象としたアンケート調査では、 61%の人が寿司を食べたことがあり、79%が寿司を知っていると回答 しています。
ベトナム人が思い浮かべる「寿司」とは?
非常に多くの人が「寿司を知っている」と回答していますが、実際ベトナム人が 「Sushi」と聞いて思い浮かべるものは、必ずしも日本人のそれと同じではありません。
「寿司を知っている」と回答した人たちに対して、「Sushi」と聞いて思い浮かべる料理を聞いたところ、「巻き寿司」を選択した人が49%で、「握り寿司」の22%を大きく上回る結果となりました。また、「刺身」を選んでしまった人が18%もいます。
所得が上がるのに比例して「握り寿司」を選択する割合が増えていくのですが、ベトナム人が「Sushi」と聞いて思い浮かべるものの多くは 巻いてあるお寿司 のようです。
ベトナム人の「寿司」のイメージはストリート寿司から
今回アンケートで、「寿司を食べたことがある」と回答したベトナム人に対して1回の支払金額を聞いてみたところ、平均15万VND(約800円)ほどでした。回答者の平均月収は日本円で数万円程ですので、日本料理はかなり贅沢な食事であり、カウンター寿司はおろか、チェーン展開している比較的リーズナブルな 「Tokyo Deli」 や 「The Sushi Bar」 であってもなかなか足が向きません。
そんな彼らに昨今人気なのが、 ベトナム人が経営する屋台形式の「ストリート寿司」 です。
例えば、ホーチミン市5区グエンバンクー通りにある 「Sushi 193」 は、ホーチミン市の若者に人気のお店で、口コミやレストラン評価サイト 「Foody」 などでの好評価が集客につながり、平日は1日200人、週末には1日500人もの客足を誇る人気店です。
このお店では、セットメニューが5万VND(約270円)程度から用意されていることもあり、15万VNDもあればお腹一杯食べられます。そして、このお店の 人気メニューは、やはり巻物 が中心とのことでした。こういったローカルストリート寿司店が、市内のあちこちに点在しています。
ベトナム経済が毎年着実に成長しているといっても、多くの人々の財布はそれほど潤っているわけではなく、 彼らのお財布事情に合ったものがウケる 一例といえるかもしれません。
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