Vリーグで増加する帰化サッカー選手、その思惑とは・・・

2012/04/05 20:01 JST配信

 サッカー後進国のクラブにとって、外国人選手を迎えることはクラブの強化のみならず、リーグ全体の発展にも重要な意味を持っている。Jリーグを見ても数々の有名外国人選手が在籍し、◇ラモス瑠偉氏、◇呂比須ワグナー氏、◇三都主アレサンドロ選手、◇田中マルクス闘莉王選手などの帰化選手が日本サッカーの発展を後押ししてきた。さて、そんな帰化選手だが、ベトナムのプロサッカーリーグ(Vリーグ)にもいることをご存知だろうか。3日付バオモイ紙(電子版)などが報じた。

(C) baodatviet.vn<br>ナビバンクサイゴンのファン・バン・サントス選手
(C) baodatviet.vn
ナビバンクサイゴンのファン・バン・サントス選手

 その草分け的な存在がブラジル出身のゴールキーパー、ファン・バン・サントス選手(ナビバンクサイゴンFC所属)だ。サントス選手は2001年にVリーグのドンタム・ロンアンFCに加入。正ゴールキーパーとして活躍したが、外国人選手は3人までしか同時にピッチに立てないというVリーグの規定もあり、2007年にベトナム国籍に帰化した。その後、クラブチームのオーナー達の間で、手っ取り早いクラブ強化対策として帰化選手ブームが起こり、現在Vリーグには14人もの帰化選手が所属している。

 現在、サイゴンFCで活躍している、フイン・ケスレー・アルベス選手もベトナムで成功を収めている帰化選手の1人だ。帰化するに当たりケスレー選手は「私はベトナムを愛しており、いつか代表のユニフォームに袖を通したい」と語った。但し、同選手は「帰化した場合の待遇の良さも決め手の一つであり、それは否定しない」と語った。帰化後、同選手の月給は50%増の1万5000ドル(約123万円)、契約金は3倍の30万ドル(約2462万円)に跳ね上がっている。

 この他にも多くの帰化選手が活躍しており、ほぼ全員が帰化後に給料が大幅アップしている。一部の専門家は、「これらの帰化選手は金銭面の待遇の良さから帰化しただけで、愛国心を持っているわけではなく、ベトナム語も碌に話せない」と批判している。

 かつてベトナム代表チームで監督を務めたエンリケ・カリスト氏は在任中、サントス選手を代表に度々召集していたが、同選手はその度に辞退していた。この点は、代表に入って、ワールドカップに出場したいという帰化日本人のサッカー選手との大きな相違点である。

[Khoa Nguyen Baomoi 2012/4/3 U]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 元韓国代表FWの李天秀(イ・チョンス)選手がベトナムのプロサッカーリーグ(Vリーグ)で移籍先を探してい...
 2011~2012シーズンのエクシムバンク・スーパーリーグ(Vリーグ:ベトナムプロサッカーリーグ)が終了し...
 EURO2012で国中のサッカーファンが盛り上がった6月中、サッカーベトナム代表の国際親善試合3試合が行わ...
 ホーチミン市で11日、Vリーグの年間表彰式「Vリーグ・アウォーズ2011」が開催され、ハノイFCのタイン・...
 Vリーグ第14節、サイゴンFCとソンラム・ゲアンの試合が19日、ホーチミン市10区トンニャットスタジアム...
 国際サッカー連盟(FIFA)がこのほど発表した最新のFIFAランキングで、北アイルランドが前回の87位から...
 サイゴンFCは2011年に設立され、同年のディヴィジョン1で優勝し、今年Vリーグに昇格したばかりのリーグ...
 文化スポーツ観光省は、ホーチミン市で17日に開催した「2020年までのベトナムサッカー強化戦略と2030年...

新着ニュース一覧

 中国発のぬいぐるみ「ベイビー・スリー(Baby Three=娃三歳)」が、ホーチミン市の若者の間でブームにな...
 デジタル旅行プラットフォーム「アゴダ(Agoda)」を運営するアゴダ・カンパニー(Agoda Company、シンガ...
 南中部沿岸地方ダナン市観光局は、2024年12月14日(土)から2025年1月2日(木)にかけて「クリスマス&ニュ...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 午後3時、ハノイ市ハイバーチュン区ファムディンホー街区在住のグエン・ゴック・クアンさん(男性・61歳...
 カンボジア公式訪問を開始したチャン・タイン・マン国会議長は21日、カンボジアの首都プノンペンで、同...
 ベトナム共産党政治局・書記局は20日に開かれた会合で、政治局員・国会共産党連合会書記・国会議長在任...
 ワインの輸入販売などを手掛けるエノテカ株式会社(東京都港区)は11月25日、ホーチミン市1区のホーチミ...
 住商アグロインターナショナル株式会社(住商アグロ、東京都千代田区)は、ベトナムの農業資材販売会社で...
 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anph...
 南部メコンデルタ地方カマウ省人民委員会は19日、ダムゾイ郡でダムゾイ・カイヌオック・チャーラー(Dam...
 ホーチミン市人民委員会は21日、12月の商業運転開始を予定している都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~...
 21日から23日までの日程でマレーシアを公式訪問中のトー・ラム書記長は21日、最高儀礼に則り盛大に執り...
 ドミニカ共和国を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間20日、ルイス・ロドルフォ・アビナデル...
 米不動産サービス大手クッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield=C&W)がこのほど発表した...
 南中部高原地方総合病院は19日、自宅で調理したヒキガエルの肉と卵を食べた児童2人が中毒を起こしたと...
トップページに戻る