クアンナム省チャーキエウ遺跡と日本人考古学者の30年間

2024/03/17 10:03 JST配信

 しかし、1947年になると、シュタインは中国の史料に基づいてオールソーとクレイの研究結果を否定し、林邑はハイバン峠(トゥアティエン・フエ省とダナン市の間に位置する峠)の北にあったとした。

(C) 山形眞理子
(C) 山形眞理子
(C) 山形眞理子
(C) 山形眞理子
(C) 吉田泰幸
(C) 吉田泰幸
(C) 石井彩子
(C) 石井彩子

 その後、ベトナム人による調査・研究も行われるようになった。1985年、ハノイ市の大学の調査隊は、チャーキエウの地で紀元後およそ2世紀末から4世紀初頭のものとみられる、サーフィン文化(紀元前500年もしくは300年頃から紀元後100年頃にかけてベトナム中部を中心に分布した鉄器時代の文化)の末期とチャンパの初期の土器の破片を発見したと報告した。また、サーフィン文化に関係する他の痕跡も見つかった。

 ベトナム人、英国人、そして山形氏ら日本人の考古学者から成る調査隊は、1993年から1996年にかけてチャーキエウで発掘調査を行った。先行研究の結果を踏まえながら、調査隊は注目すべきさまざまな問題を提起していった。

 クレイは、EFEOで最も優秀な考古学者だったことは間違いないが、フランス植民地時代にチャーキエウで行われた最初の大規模かつ複数の地点での考古学調査・研究においては、チャーキエウから多数出土する遺物としての土器や瓦にはあまり目が向けられなかった。

 こうした中、山形氏も参加したこの調査隊は、出土土器の年代を見極めること、そしてサーフィン文化とチャンパの関係性を考察することを目的に据えたのだった。山形氏はまた、チャーキエウの年代と遺跡の変遷、さらにチャーキエウの地に人々が定住したのはいつからなのか、林邑とチャンパにはどのような関係があったのかということにも関心があった。

発掘調査からわかったこと

 1993年、山形氏を含めた調査隊は、発掘調査で非常に重要な遺物を多数発見した。多くの遺物は中国南部やベトナム北部でみられる漢代の土器と関係していたほか、遺跡から出土した炭化物を分析したところ紀元後1~3世紀という年代が出た。

 さらに注目すべきは、調査隊が1997年から2000年にかけてチャーキエウのホアンチャウ地点で行った発掘調査で、山形氏は下層から上層までの土層中に含まれる一連の遺物を特定することに成功した。これにより、考古学的な観点からみたチャーキエウの古代の歴史に光が当てられることとなった。

 山形氏は、その後もほぼ毎年チャーキエウを訪れ、踏査や発掘調査を続けた。また、チャーキエウだけでなく、比較対象として他のさらに古い遺跡の調査・研究も進めた。山形氏は自身の考えについてこう語る。

前へ   1   2   3   次へ
[Bao Quang Nam 09:13 15/02/2024, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 フランス極東学院(EFEO)が保管する、20世紀初頭におけるフランス統治下のベトナムを写した写真55枚や多...
 南部社会科学研究所と日本の昭和女子大学の考古学研究チームはこのほど、南中部クアンナム省ズイスエン...

新着ニュース一覧

 インターネット検索大手の米グーグル(Google)は、前年に比べて2025年にトラフィック数が急増した検索キ...
 インターネット検索大手の米グーグル(Google)は、前年に比べて2025年にトラフィック数が急増した検索キ...
 地場CTグループ(CT Group)はこのほど、低空経済(Low Altitude Economy=LAE)の中核拠点となるセンター...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 チュオン・ティ・トゥエット・チンさん(女性・63歳)は、7~8歳のころからホーチミン市のベンタイン市場...
 ホーチミン市ビンチュン街区(旧トゥードゥック市)のマイチート(Mai Chi Tho)通りに建設されていた自転...
 クリエイト・キャピタルベトナム[CRC](Create Capital Vietnam)と米国サ
 未成年犯罪者に対する電子監視措置と社会復帰支援を規定する政令第333号/2025/ND-CPでは、未成年者が罪...
 商工省傘下の国家競争委員会は29日、通話やメッセージング、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(S...
 国際情勢が不安定化する中、ベトナムの経済外交は2025年に約350件の協定・コミットメントに合意した。...
 ドローン技術を手掛ける地場スタートアップのサオラテック(Saolatek)は29日、携帯端末販売を展開するジ...
 農業環境省はこのほど、ベトナム農産物トレーサビリティシステムのお披露目式典を開催した。同システム...
 日本の法務省出入国在留管理庁が発表した2025年1~6月期における外国人入国者数及び日本人出国者数等に...
 日本の法務省出入国在留管理庁が発表した2025年6月末時点における在留外国人数に関する統計によると、...
 日本の法務省出入国在留管理庁が発表した2025年7月1日時点における不法残留者数に関する統計によると、...
 政府はこのほど、電子労働契約に関する政令第337号/2025/ND-CP(2026年1月1日施行)を公布した。これによ...
トップページに戻る