2021年2月28日、ハノイ市タインスアン区にあるマンションの13階から転落した当時3歳の女児を間一髪で救った男性がいる。「英雄」と称賛されたグエン・ゴック・マインさん(33歳)は、事故から3年近く経った今でも、外に出ると多くの人々から「あの時の英雄」として認識されるという。
(C) thanhnien |
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ハノイ市ドンアイン郡に住むマインさんは、危険を顧みずに女児の命を救った勇敢な「英雄」、「スーパーマン」として一躍有名になったが、今も当時と変わらず、トラック配達員の仕事を続けている。
マインさんは毎日、同僚たちとともにハノイ市カウザイ区のナムチュンイエン都市区にトラックを停めて、顧客からの依頼を待つ。マインさんは平均して1日3~4便の配達を担当している。
マインさんの仕事は午前7時頃に始まり、事前に依頼を受けている場合はもっと早い時間に出勤することもある。仕事を終えると22~23時頃に家宅するが、午前0時を過ぎることもあり、妻子はすでに眠っている。1週間の中でマインさんが家族と過ごせるのは土曜日と日曜日だけで、週末になるとマインさんは妻と2人の子供を連れてあちこちへ出かける。
マインさんは、2021年2月28日午後のことを今でもはっきりと覚えている。それは、決して忘れることのできない、1つの命が守られた瞬間だった。
「私にとって一番幸せなことは、あのことがきっかけで家族が、兄、姉、そして娘が増えたことです。フエン(注:マインさんが救った女児)は私の上の娘と同じ歳で、2人はずっと前から仲良しだったかのように、会うたびにぴったりとくっついているんです。フエンを助けてからというもの、私はいつでも子供たちといえば3人のことを考えるようになりました」とマインさんは語る。
その勇敢な行動から、マインさんに多くの賞状や価値のあるものが贈られたが、彼は感謝を伝えつつ丁重に辞退し、妻がお店を開くための資金として少しのお金だけを受け取った。勤勉に働いているマインさんの収入は、自身と妻子が生活していくには十分で、毎月貯金もできている。