翌日、カーさんは籐を40kg買い、この中から条件に合った5kgを選別した。そして皮をむいたり割いたりといくつもの工程を経て、4mの長さの糸状に加工した。「最初のお試しのころは、しょっちゅう妻からこれじゃ作れないから籐をもっと細く滑らかにして、と言われたものです」とカーさんは語る。
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伝統的な食卓テーブルは太い籐で編まれ、頑丈な見た目だが、ティエンさんの作る食卓テーブルはというと絹糸で編んだかのように繊細で、革命的なものだった。
最初の完成品は縦糸が300本だったが、後に編み糸を絹糸のように細く改良し、縦糸の本数はなんと1200本になった。持ち手を作るのに3日、平らな部分に7日、枠の部分にさらに7日かかり、集中すれば夫婦で1か月に2つ作ることができた。
2010年の初め、夫婦の食卓カバーがベトナム手工芸品輸出協会(VIETCRAFT)によって展示会に出品された。それ以来、この食卓カバーは国内外で注目を集めるようになり、2012年から2014年まで3年連続で夫婦は海外に招かれ、交流や実演を行った。
直近では、2020年に農業農村開発省主催のベトナム手工芸品コンテストで最優秀賞を受賞した。その時に主催者が食卓カバーの重さを量ったところ、290gだった。
チュオンミー籐編み協会のグエン・バン・チュン会長によると、この伝統工芸村では約700世帯が籐編みを行っているが、食卓カバーを作っているのは2世帯だけだという。中でもカーさんたちの食卓カバーは特別で、独自の技術とノウハウが必要になる。