息子は別の家で両親と一緒に暮らそうとしたが、夫婦は息子に迷惑をかけたくないからと断った。それに、娘は未婚で実家暮らしのため、親としてはまだそばにいて面倒を見たいという思いもあった。
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経済的には困難な状況にあるものの、子供たちが優しく勤勉な大人になり、安定した仕事に就くために努力してきたことを、サムさんは誇りに思っている。子供たちは両親の心の内を理解し、これまで一度も文句を言ったり責めたりしたことはないのだという。
「今の願いは、娘が理想の夫を見つけてくれることだけです。家族は苦労続きで罪悪感もありますし、家がこんな状況で恋人を見つけるのも大変だろうと娘のことも心配です。でも、娘にはいつも相手に自分の状況を隠さないように忠告しています。そうやって初めて、自分のことを心から愛してくれる人を見つけられるでしょうから」とサムさんは言う。
共同便所の上で40年以上も暮らしてきたハイさんとサムさんは、自分たちの運命を受け入れている。今はただ、子供たちの人生が自分たちとは違うものになるように、ということだけを願っている。
「私だって他の人と同じように、子供たちに養ってもらえたらと夢見ることもあります。でも、人生はわかりませんから。自分たちが苦労するのは構いませんが、子供たちが苦労しないで済むように願っています。そうすれば私たち夫婦の心配事も減り、安心して老後を生きられます」とサムさんは打ち明けた。
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