障がい者の職業訓練縫製工場を立ち上げた男性、自身も障がいと生きる

2021/07/25 10:29 JST配信

 クイさんはその工場でしばらく働き、肌は黒くなり、痩せていった。しかし、収入は依然として不安定なままで、手に職がなければ生活も安定しないのだと気づいたクイさんは、故郷ニンビン省に戻り、障がい者に縫製技術を教えている工場を訪れ、縫製を学び始めた。

(C) tuoitre
(C) tuoitre

 一番大変だったのは、古いミシンを操作する際に足でペダルを踏む必要があり、かなりの力を要したことだった。クイさんは、縫製を学んでいた6か月間で、両脚を使ってミシンを操作するのに慣れなければならなかった。クイさんは初めて自分で縫製したシャツを、今でも大事にしまっている。

 「両親は今でも、外に出ても何もできないのだから家にいなさいと言います。でも、両親が元気なうちは面倒を見てもらえるけれど、この先2人が年老いていったら、誰が私の世話をしてくれるんだろう?とふと考えました。当時はあえて答えを出そうとしませんでしたし、どうすればお金が稼げるのかもわかりませんでしたが、とにかく思い切って飛び込んでみることにしたんです」とクイさんは当時を思い出して語った。

 縫製の技術を身につけたクイさんは、履歴書を手に自信を持って再び仕事を探しに行った。しかし、障がい者であるクイさんには健康上の心配があるという理由で、訪れた数十社で首を横に振られるだけだった。

 それでも幸いなことに、クイさんの状況を知っていた1人の作業監督者が、クイさんの縫製技術を試す機会を設けてくれた。クイさんがミシンを巧みに操る様子を見て、韓国人の社長はクイさんを雇用することに同意した。

 その会社で2年間働き、縫製技術を上げたクイさんはさらに努力を重ね、より大きな規模の様々な環境で働いて技術と経験を蓄積していった。10年間にわたる懸命な努力の末、現在のクイさんは、縫製に関しては何でもできると自信を持っている。

 長い求職活動の間に、クイさんは多くの障がい者が直面している困難について理解していった。「この人がどうやって働けるんだ?」、「これを見て雇えるか?」といった心の傷に触れる言葉を聞き続けるうちに、クイさんは同じ境遇にある人たちを支援するために何かしなければと考えるようになった。

前へ   1   2   3   次へ
[Tuoi Tre 09:26 24/06/2021, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

新着ニュース一覧

 グエン・ホン・ジエン商工相は、ドナルド・トランプ米大統領が発表したベトナムに対する「相互関税」に...
 ベトナム政府は、ラオス人民革命党の元党中央執行委員会委員長・元国家主席・元首相のカムタイ・シーパ...
 南部メコンデルタ地方アンザン省で発生した違法砂採取事件の裁判で、ホーチミン市人民裁判所は2日、44...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市フーニュアン区のファンシックロン(Phan Xich Long)通りの周辺には、全長1kmにも満たない1...
 ベトナム海事水路局はこのほど、北部紅河デルタ地方ハイフォン市ディンブー・カットハイ(Dinh Vu - Cat...
 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はこのほど、米国に
 南中部沿岸地方カインホア省人民委員会は2日、同省のバンフォン経済区内でゾックダーチャン(Doc Da Tra...
 教育コンテンツの制作を手掛ける韓国のケデュオール(KeduAll)は1日、ベトナム現地法人のフィクテック(F...
 ドナルド・トランプ米大統領は2日、世界各国からの輸入品に対し「相互関税」を科すと発表した。180以上...
 ブイ・タイン・ソン副首相 兼 外相は、5月に予定されているトー・ラム書記長のロシア訪問と「対ナチス...
 北中部地方クアンビン省人民委員会は、マーク・ナッパー駐ベトナム米国大使が1日午後、同省の指導者と...
 政府は3月28日、電気料金の調整メカニズムを規定する政令第72号/2025/ND-CPを公布した。同政令は即日施...
 財政省傘下のベトナム国家イノベーションセンター(NIC)と米インテル(Intel)は2日、「コミュニティのた...
 株式会社ニトリホールディングス(北海道札幌市)は4月11日、ベトナム4号店としてグローバル旗艦店「ニト...
 日本政府は3月28日、北部紅河デルタ地方ハイフォン市キエンアン区の水産・食品技術短期大学(元:技術経...
トップページに戻る