ジャングル生活40年の「森の人」、がんと闘う 村に戻って8年

2021/05/30 10:18 JST配信

 しかし、ランさんの腹部の痛みはますます激しくなり、2020年11月には以前と比べて10kgも痩せてしまっていた。チーさんは、以前ランさんたちの映画を撮影したことがある知り合いの監督に助けを求めて連絡し、ランさんをクアンガイ市の病院に連れて行った。

(C) vnexpress
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 3日後、ランさんは医師から肝障害と診断された。それから南中部沿岸地方ダナン市のダナン病院に転院し、肝細胞がんと診断された。肝臓の右半分が腫瘍で覆われており、手術で治る見込みはないと医師から告げられた。

 ランさんのがんは浸潤性で、ダナン病院の医師はダナン腫瘍病院での治療を提案したが、西洋医学の治療を受けるお金もなかったため、家族はランさんを自宅に連れて帰ることにした。

 そして、チーさんは村の長老たちに会いに行き、兄の病気が治るように供え物をして祈りを捧げた。ランさんが病気になってから、チーさんは10回近く、1回につき鶏8羽を捧げた。

 その費用は2000万VND(約9万5000円)にも上り、家のお金はすっかりなくなり、近所の店の主人たちからお金を借りてバナナや籐など森にあるものを売っては借金を返済した。しかし、何度供え物をしてもランさんの病状は改善せず、自宅には食べ物が入った鍋だけが残り、それで数日間をしのいだ。

 それからチーさんは、兄を連れて自宅から約90kmも離れたクアンガイ省ビンソン郡の漢方医のもとへ通い始めた。漢方医は良心的でお金を受け取らなかったが、たどり着くまでの道のりは長く、毎回バイクが故障した。しかし、兄弟には修理費を支払うお金もなく、数か月通った後、テト(旧正月)が開けると足が遠のいてしまった。

 最近はまた、痛みを和らげるために森の薬草に頼っているという。

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[VnExpress 10:39 20/05/2021, A]
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