ハノイの交通事故救助隊ボランティア、二足のわらじで市民を救う

2021/04/25 10:21 JST配信

 「けがをした人の家族がすぐに来られないときは、我々がけが人を病院に連れていくことも多いです。けが人が経済的に困窮している人であれば、メンバーでお金を出し合って病院の費用を渡します」とベトさんは話す。

(C) zingnews
(C) zingnews
(C) zingnews
(C) zingnews
(C) zingnews
(C) zingnews

 過去2年間に多くの事故を目の当たりにしてきた中で、ベトさんやメンバーが最も誇りに思っているのは、自分たちの活動によって多くの重傷者が手遅れにならずに危険な状態から回復したことだ。しかし一方で、メンバー皆が最善を尽くしたものの、犠牲者の命を救うことができなかったときには自責の念と後悔に苛まれる。

 「半年前にホートゥンマウ通りで起きた事故が忘れられません。若い男性がコンテナトラックの後輪にひかれてしまったんです。現場に駆け付けたときには既に彼の呼吸は弱く、自分は何もできませんでした。ただ謝罪し、すぐに家族が来るから安心してと声をかけるしかありませんでした」とベトさん。

 ベトさんは結成当初を振り返り、こう語る。「交通事故の救助隊を結成しようと思い付き、FASエンジェルという名前と自分の携帯電話番号を印刷したシールを作って、友人や親戚に配りました。道端では、救助隊の存在が少しでも広まればと願いつつ、知らない人にも配って回りました」。

 メンバーが外を移動するときには、FASエンジェルのロゴとスローガンがプリントされたジャンパーを着て、道行く人々にも救助隊だとすぐにわかるようにしている。おかげで、けが人や事故現場の近くにいる人から救助隊に直接連絡してくれるようになった。

 しかしながら、FASエンジェルにとって最大の問題は活動を維持していくための資金だ。メンバーの多くが家族の大黒柱で、他の省からハノイ市に出稼ぎに来ているため、家賃やその他諸々の費用を支払わなければならず、経済的な余裕がないのだという。

 「メンバーの金銭的な負担を減らすため、包帯やアルコール消毒液、医療用品などを支援してくれるスポンサーがついてほしいと願っています。そうすれば、我々もより安心して活動に励むことができますから」とリーダーのベトさんは語った。

前へ   1   2   3   次へ
[Zing 08:15 24/03/2021, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 グエン・ホアン・キム・ガンさん(女性)は、姉を交通事故で失った悲しみから、「911交通救助隊」を結成...

新着ニュース一覧

 ホーチミン市人民委員会は21日、12月の商業運転開始を予定している都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~...
 21日から23日までの日程でマレーシアを公式訪問中のトー・ラム書記長は21日、最高儀礼に則り盛大に執り...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ドミニカ共和国を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間20日、ルイス・ロドルフォ・アビナデル...
 午後3時、ハノイ市ハイバーチュン区ファムディンホー街区在住のグエン・ゴック・クアンさん(男性・61歳...
 米不動産サービス大手クッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield=C&W)がこのほど発表した...
 南中部高原地方総合病院は19日、自宅で調理したヒキガエルの肉と卵を食べた児童2人が中毒を起こしたと...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)傘下の政策開発研究所が先般発表した...
 医療機関向けパッケージソフトウェアの製造・販売を手掛ける株式会社エクセル・クリエイツ(大阪府大阪...
 ハノイ市ナムトゥーリエム区の国立展示建設センター(1 Do Duc Duc, quan Nam Tu Liem, TP. Ha Noi)で、...
 米空軍は南中部沿岸地方ビントゥアン省ファンティエット空港で20日、ベトナム空軍に米国製の練習機「T-...
 ブイ・タイン・ソン副首相は19日、北中部地方タインホア省で計画されているWHAスマートテクノロジー工...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 チャン・ホン・ハー副首相は、輸入車両と国内製造・組み立て車両に求められる排ガス基準の適用ロードマ...
 スマートプロジェクターとレーザーテレビの設計・製造を手掛ける中国のエクスジミー(XGIMI)はこのほど...
トップページに戻る