「皆さんこんにちは、今日はこの商品を紹介します」。ズオン・ティ・タムさん(女性・29歳)は、ライブストリーミングで動画を配信しながら、商品の箱を胸の前でつかみ、手足がある人と同じように商品を販売する。
(C) vnexpress |
(C) vnexpress |
(C) vnexpress |
2018年11月17日、東南部地方ビンフオック省チョンタイン郡(huyen Chon Thanh)に暮らすタムさんと夫のチャン・バン・タイさんの間に息子が生まれた。27歳のタムさんにとって、5年間待ちわびた子供は「甘い果実」そのものだった。夫婦は携帯電話用アクセサリー販売店を営み、さらにかわいい息子も生まれ、順風満帆だった。
しかし、同じ年の12月初旬のある晩、タムさんは突然まったく力が入らなくなり、意識を失った。家族がすぐにタムさんを近所の国際病院に連れて行ったが、タムさんは「予測不可能な危険がある」として、7時間後にホーチミン市のチョーライ病院に移された。
医師の診断では、胸部膿瘍により敗血症性ショックを起こしたということだった。数日後、タムさんは腸管感染症や腎不全に苦しみ、人工呼吸器をつけて透析を受けなければならなかった。手足はあざができたようになり、壊疽を起こしていた。
産婦が乳房膿瘍で痛みを起こすことはあるが、タムさんほど重症化することはない。「お医者さんいわく、妊娠中から身体に菌が潜んでいたようです」とタムさんは語る。
チョーライ病院の医師は、タムさんが入院したときから「運が良ければ命を救うことはできますが、手足は救えません」と言っていた。以来、夫のタイさんは、妻がもう元のようには元気にならないという状況を想像していた。
「いくらでも払いますから、妻に最良の薬を使ってください」と、医師が治療スケジュールを提示するたびにタイさんは訴えた。タイさんはまた、少しでも手足を残せればという望みをかけて、高気圧酸素治療を受けさせるために妻を別の病院にも連れて行った。
入院から15日目。これ以上、タムさんの回復を待つことはできなかった。手足の指は紫色に変わり、手のひらも足先も乾燥しきっていた。紫色の斑点は肘や膝まで広がり、医師らはこれ以上の壊死を防ぐために四肢を切断しなければならないと言った。