象乗り(エレファント・ライド)ツアー
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野生のゾウは、暑い日中は木陰で涼み、水浴びをして体温を調節し、日に150Lもの水を飲む。
南中部高原地方ダクラク省にあるブオンドン(Buon Don)観光区。取材の日の午後1時半、35度の灼熱の太陽の下、象乗り施設のゾウたちは、重い椅子と客を背負い、同じコースをひたすら歩き続けていた。歩けば歩くほど売上は増えるので、どんなに暑い時刻でも、どんなに年老いたゾウでも、客があれば休みなくツアーは出る。コースの合間も彼らには、一杯の水さえ与えられていなかった。
長い一日が終わると、再び短い鎖で足を繋がれ、身動きできないままにじっと朝を待つ。テト(旧正月)等の観光シーズン中は、日に15時間以上歩き続け、過労死するゾウもいるが、それを規制する法律はない。
象乗りのゾウは皆、幼時に家族から引き離され、過酷な調教を受ける。
手鉤で打たれて傷だらけのゾウの頭。象使いは手鉤を常に手に持っている。