そしてタイン・ガー殺害事件から5か月後の1979年4月。ついに犯人逮捕に至った。犯人はグエン・タイン・タン(Nguyen Thanh Tan)とグエン・バン・ドゥック(Nguyen Van Duc)の2人だった。2人は裁判にかけられ、死刑判決を受けた。
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(C) nguoiduatin、犯行の再現 |
事件当時、頭に銃を向けられたタイン・ガーは、息子を守るため犯人の手に噛み付いた。しかしその瞬間、甲高い銃声が響き、大女優は息子を胸に抱いたまま車の座席に倒れかかった。
捜査機関の記録によると、犯人らの当初のターゲットはタイン・ガー一家ではなく、タイン・ガーの弟である優秀アーティストのバオ・クオック(Bao Quoc)だった。
犯人らは、バオ・クオックの子供を誘拐して金銭を奪う計画だったが、よくよく調べるとバオ・クオックは4人の子供がいるにもかかわらず金持ちというわけではないことがわかり、ターゲットをタイン・ガーに変更したのだった。
事件の2か月前、ターゲットをタイン・ガーに決めた犯人らは、彼女が公演中の劇場で待ち伏せをしたものの、あまりにも観客が多かったため犯行に及ぶことができず、この残酷な計画を延期することにした。
しかし、誘拐計画をあきらめなかった犯人らは、深夜の時間帯を狙ってタイン・ガーの自宅で待ち伏せをし、この恐ろしい犯行を実行したのだった。逮捕後にタンは、タイン・ガーの息子を誘拐して金銭を奪うだけのつもりだったが、夫妻が激しく抵抗したため2人とも撃ち殺したと供述した。