マイ氏はティエンくんとの出会いがきっかけで、2016年6月から障害児向けの合気道教室を開いている。「私の兄弟もティエンくんのように障害を持っていて、母はとても苦労しました。ティエンくんをおぶったトゥエンさんを見てかつての母の姿を思い出しました」と、マイ氏はティエンくん親子との出会いを語る。
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ティエンくんは教室の誇りであり、マイ氏の原動力になっている。障害児向けの合気道教室にはダウン症や自閉症、身体障害の児童14人が通っている。なかには知的障害で四肢に麻痺がありながら、練習を重ねたことで四足歩行ができるようになった生徒もいるという。
トゥエンさんは大学に復学し無事卒業、現在は歴史の教鞭をとっている。トゥンさんは知人から支援を受けて2016年に製氷店を開き、生活は上向いた。しかし、夫妻にとって何よりの喜びはティエンくんの成長だ。
歩行練習に加えてティエンくんは両親から色や数字、文字、家族の呼び名を習っている。覚えたことを直ぐ忘れてしまいがちなので、両親は毎日少しずつ、ティエンくんの機嫌が良く集中力がある時に教えている。「今ではa~c、1~3の文字を覚え、両親や祖父母の名前を呼べるようになりました。私にとって、これは奇跡なんです」とトゥエンさんは息子の成長を喜ぶ。
「息子と2人で出かけた時に、お父さんが年を取ったらもうしてやれないから今のうちにおんぶしてあげようか?と冗談を言うと、自分で立つといって絶対におんぶさせてくれないんですよ」とトゥンさんの声も弾んでいる。