タインさんの店は人通りの少ない小さな路地にあるにもかかわらず、朝10時には満席になり順番待ちをする客の姿もあるほどだ。客の年齢層は幅広いが20~50歳の健常者の女性が多く、ろうあ者は少ないという。また、手話を使える客はごくわずかでほとんどは筆談で会話し、店内にはテレビから流れる音にドライヤーやハサミの音が響く。
(C) Thuy Hang, Thanh Nien, 客のカットするタインさん |
(C) Thuy Hang, Thanh Nien|美容室を起業したろ うあ者の青年の挑戦 |
(C) Thuy Hang, Thanh Nien|美容室を起業したろ うあ者の青年の挑戦 |
タインさんの店ではタインさんともう1人の従業員がカットを担当するほか、9人の見習いが働いている。一番長く働いている見習いはクアンさん(18歳)、ロンさん(21歳)とアインさん(17歳)は見習い1か月の新人だ。閉店後は店の隣に借りている一軒家で従業員揃って料理を作り、食事をしながら語らうという。
タインさんは今後、ドンダー区の店の改修工事が終わっても仮店舗はそのまま残し、2店舗を同時経営する予定だ。従業員を増やし、見習いもたくさん受け入れることで、同じ障害を持つ人々に仕事のチャンスを創り出せればと、タインさんの挑戦は続く。