19時、ボランティアの青年たちが到着すると、クラスが始まる。ウォームアップとして皆でゲームを楽しんだ後、ボランティアの大学生である「先生」がチョークで黒板に真っ直ぐ線を引き、「59+55」という算数の問題を書いた。そして大きな声で聞いた。
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「昨日の課題の復習をします。計算式を立てて、答えを数字と文字で書いてください。誰か前に出て黒板に書いてくれますか?」
いくつか手が上がり、1人の男性が選ばれた。いつもくわやなたを使い仕事をしている彼の日焼けした手は、少し震えながら白いチョークを掴んだ。
彼は小声で計算しながら慎重に数字と文字を書いた。「5足す9は14で1繰り上がる。5足す5は10で1繰り上がるので11。答えは114」。文字は整っておらず完璧ではなかったが、答えは正確で、彼は多くの賞賛と拍手を受けた。
この男性は今年25歳で、クラスでは一番若い。小さな頃から父親と一緒に畑に出ていたため、大人になっても文字の読み書きができなかった。彼の兄弟も同じ状況だったため、生活はとても苦しかったという。
「私のように読み書きができない青年は、どこに行っても大変です。病院で薬をもらいに行く時や、人民委員会に子供の出生届を提出しに行く時、生活のためにお金を借りに行く時など、様々な場面で何かを聞かれてもわからず、自分の名前を書くこともできません」と彼は打ち明けた。