ベトナムを代表する香水ブランド「ミスサイゴン(Miss Saigon)」。誕生から25年が経った今も、アオザイ(Ao Dai)姿でノンラー(Non La、円錐形の葉笠)をかぶった少女を模したボトルのデザインは変わることなく、世界中の人々に愛されている。
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かつて香水は上流階級の人々が使う贅沢品の1つだった。ホーチミン市の人々にとっては苦難の時代に誕生した香水ブランド「ミスサイゴン」は、ボトルのデザインは1つだが、色や香り、価格の異なる幾つかの種類が販売されており、特に国際市場で根強い人気を誇っている。
ミスサイゴンは、グエン・キム・トア女史が取締役会長を務めるサイゴン化粧品社(Saigon Cosmetics、ホーチミン市)の商品だ。その前身となる会社は1975年まで「イモルテル(Imortel)」ブランドとして香水を扱っていた。その後「第2化粧品工場」となり、1990年にサイゴン化粧品社が設立され、1999年に株式化された。
化学研究に没頭したトアさんは、ベトナム香水業界の発展のために心血を注ぎ、人生の全てを費やしている。1980年代に入社し、香水について学ぶため多くの国に出向いた。シャネル(Chanel)やランコム(Lancome)のような有名ブランドに引けを取らないベトナム人の香水を生み出すことができないだろうか、と試行錯誤を続けた。そして、トアさんと会社のメンバーは、アオザイを纏った少女の形のボトルをデザインすることに決めた。
同社は設立時から、香水の生産量においてベトナムで首位に立つことを目指していた。多くの困難にも直面したが、ミスサイゴンは25年間にわたり人々の好みに合わせて幾多の改変を重ねながら、大きな成功を収めた。