サウさんは車椅子に乗り、もう1人の仲間の助けを借りて毎日街に出て宝くじを売り、夜になると利益を折半する。この数日は仲間が帰郷しているため、サウさんは外に出られずにいた。
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ティエンさんの妻、ダオ・ティ・レさんは、38人分の食事作りを担当している。徴収する食費は1人1日1万VND(約55.9円)。このうち2000VND(約11.2円)を手間代として受け取り、残りの8000VND(約44.7円)で2回分の食事を作る。野菜中心で数日に1回は魚というメニューで、なんとかやり繰りしているという。
この家に住む人達は経済的に恵まれているとは言えないが、感謝の気持ちと温情にあふれている。同じ故郷を持ち、同じような境遇の彼らは喜びや悲しみを分かち合える。誰かが病気になれば、薬を買う人、面倒を見る人がいて、代わりに宝くじを売る人もいる。
ある男性高齢者は「この家ではティエンさんが船頭です。家賃から光熱費や食費までお金の算段を付けなければなりませんから。創意工夫とお互いの境遇への思いやりのおかげで、けんかが起きたことはありません。それだけで十分ありがたいです」と話した。