高校では、タオさん専用に小学校の机と椅子が備えられた。タオさんの高校の先生によると、タオさんは体が弱い上、家から学校まで15kmも離れているにも関わらず、一度も学校を休んだことはなく、しかも高校3年間ずっとクラスでトップの成績をおさめていたという。
(C) vnexpress タオさん(左)と姉のトゥオンさん(右) |
(C) vnexpress タオさん |
(C) vnexpress タオさん(左)と母のダオさん(右) |
タオさんが高校1年生の時、交通事故に遭い7か月間入院していた間も、先生や友人たちは遠くから見舞いに訪ねて来ては、授業の内容を説明してくれた。「奇跡は努力の別名。だから私は毎日一生懸命勉強し続けるんです」とタオさんは言う。タオさんが大学に合格できたのも、その努力の賜物であって驚くべきことでも何でもないのだ。
タオさんは、大学に入学するための荷物を準備をしながら、「心理学科の入試では、数学7ポイント、論文7ポイント、外国語6ポイントの計20ポイントでした。他に国家政治行政学院も受験したんですが、結果はまだです」と話す。
両親は、タオさんと、南中部沿岸地方ダナン市のダナン工科大学に通う姉のために、毎日早朝から商売に出かける。それでも1日に稼げるのは2人合わせて約20万VND(約990円)に過ぎない。母は、タオさんの世話をするため、タオさんと一緒にホーチミン市へ行き、しばらくの間はそこで商売を続けるつもりだという。「家財道具は全て売り払ってしまい、売れるようなものはもう何も残っていません。タオももうすぐ大学へ入学するので、私とタオの鉄道代として、銀行からお金を借ります」。母は、小さな娘の念願の大学生活を全力でサポートするつもりだ。