ハノイ市トゥオンティン郡ティエンフォン村にあるチャットカウ寺は、「呪われた寺」として有名になってしまった。10年ほど前に村人らが寄進したお金で寺を建て替えてから、寺の世話役だった高齢者4人が次々と亡くなるという奇妙な「偶然」が起きたためだ。
(C)Tien phong、チャットカウ寺 |
この寺がいつ建立されたのか、はっきりしたことは分からないが、100年以上前とみられている。寺があるのはニュエ川の支流のほとりで、村で一番景色の良い場所とされる。
78歳の高齢者タムさんによると、以前のチャットカウ寺は敷地が数ヘクタールもあり、貴重な木材を使って建てられ、梁や扉には装飾彫刻が施されていたという。当時は周囲の村の寺に比べ、その壮大さで名を知られていた。
第二次世界大戦後、植民地再建のためにベトナムに舞い戻ったフランス軍は、1948年のテト(旧正月)3日目にティエンフォン村で行われていた文芸の宴を襲い、無実の村人ら113人を殺害した。さらに捕らえた村人らを寺の敷地内で1人ずつ処刑した。当時12歳だったタムさんも捕まったが、逃げ出して難を逃れることができた。フランス軍は処刑を終えると、遺体を寺ごと燃やした。