ペルーに渡ったベトナム人、波乱万丈の人生

2014/02/02 08:38 JST配信

 3年間、彼は首都リマの市場付近で路上生活を続け、皿洗い、飴売り、新聞売り、ガム売りなどの仕事をして暮らした。そんなある日、彼はフローレス地区にあるレストランで皿洗いの職にありつく。中国人の店主は、彼が長く路上生活を続けていたことを知っており、仕事の早さを買って雇い入れたのだ。

(C)  petrotimes
(C) petrotimes

 数か月働いた後、彼はサン・マーティン地区にある他の店に移る。この店の主人は、他の地区に新店舗を出そうとしていた。店主はバンさんの機敏さや辛抱強さなどを評価して、厨房での仕事を与えた。2004年初めに、店で寝泊まりすることを許可され、彼はようやく路上生活に別れを告げることが出来た。彼はこう語る。「以前5つ星のホテルに泊まったこともあったけど、路上生活から抜け出した時の喜びはそれとは比べ物になりません」その頃にはアシスタントシェフに昇格し、月収も約200ドル(約2万円)まで上がった。

 しかし、やっと手に入れた安定した暮らしも長くは続かなかった。他の中国人スタッフが入ると、店を追われ、また別の地区の店で一から働き始めなければならなかった。それでも、この頃にはスペイン語も上達し、コミュニケーションをとるのに不自由しないレベルになっていた。

 また、新しい店では、ペルー人老夫婦との運命的な出会いがあった。夫婦はバンさんを可愛がり、彼を養子に迎えることを決意する。バンさんが自らの境遇を語ると、夫婦は泣いて哀れんだ。そしてバンさんを外務省に連れて行き、身分証明書の発行を申請した。しかし、申請は却下され、今度は赤十字国際委員会にベトナムへの渡航を斡旋してくれるよう頼んだが、これも叶わなかった。

前へ   1   2   3   次へ
[Nguyen Nhu Phong petrotimes 08:58 | 05/12/2013U]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

新着ニュース一覧

 ホーチミン市の洋菓子店「ル・プチ・ローラン(Le petit Roland)」は、南部解放・南北統一50周年を記念...
 南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)記念事業の一環として、ホーチミン市1区人民...
 栃木県鹿沼市の市文化活動交流館芝生広場で4月19日(土)、「2025ベトナムフェスティバルinかぬま」が初...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 2025年4月4日、ベトナム戦争末期の米軍による「オペレーション・ベビーリフト」の航空機墜落から50年を...
 米国の半導体大手クアルコム(Qualcomm)は16日、ハノイ市で行われたグエン・チー・ズン副首相との会談で...
 ハノイ市ナムトゥーリエム区の国家会議センターで16日夜、ベトナムにおける3件のプロジェクトを対象と...
 政府は15日、少額取引決済向けのモバイルマネーの試行期間を延長する決議第87号/NQ-CPを公布した。 ...
 ライオン株式会社(東京都台東区)は、ベトナムの持分法適用関連会社で、医薬品・医療機器の製造販売を中...
 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、フェニカー大学(Phenikaa University、ハノイ市)を、「構成大学と...
 ベトナム空港社[ACV](Airports Corporation Of Vietnam)は4月19日、4月30
 ブイ・タイン・ソン副首相は15日、「2021~2030年国家電力開発計画及び2050年までのビジョン(第8期電力...
 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計によると、2025年3月の訪日ベトナム人の数は前年同月比▲5.0%減の6...
 ベトナム航空局(CAAV)によると、2025年1~3月期の航空各社の旅客輸送量は前年同期比+9.2%増の約2070万...
 ホーチミン市人民裁判所は14日、メンバー6万6000人近くの売春斡旋ルートを組織した元締めのグエン・フ...
 日本の財務省が発表した2025年3月の貿易統計(速報)によると、ベトナムの対日貿易収支は前年同月比2.35...
トップページに戻る