苦労しているせいか、他の同年代の子に比べて大人びて見えるチャー・ミーは、いつも朝早く起きして授業の復習をし、夜は薄暗い部屋で翌日の予習をする。その甲斐あって、彼女は学校で3年連続して優秀な学生として表彰された。
(C)VN Express, 夜勉強するチャー・ミー |
そんな学業優秀なチャー・ミーは、「将来は学校の先生になりたいです。私と同じようにお父さんやお母さんを亡くした子供たちのために」と将来の夢を語った。だが、ふいに不安がよぎったかのようにこう呟いた。「もしおばあさんが年を取って死んでしまったら、いったい誰が私を養ってくれるの?」
それを聞いたトアさんは、「この子は両親の愛情を知らずに育ったので、私がその分頑張ってきました。でも、私はもう年で、あとどれくらい生きれるかわかりません。今は貧しくても二人で何とかやっていけますが、私が死んだらこの子はどうなるのでしょう」と言って、泣き出した。
ドンソン地区の幹部職員レ・ティ・テムさんによると、トアさんとチャー・ミーが何年も路上の廃品を集めて生計を立ている境遇を考慮しても、2人が受けられる助成制度はベトナムにはないという。今チャー・ミーには、国から支給される毎月18万ドン(約880円)の孤児手当てしかない。