コーヒー大手チュングエンコーヒーのダン・レ・グエン・ブー社長は、ビナミルク[VNM]のマイ・キエウ・リエン社長と共に、世界的な経済誌フォーブスに讃えられた数少ないベトナム人経営者の1人だ。フォーブスの記者はこの「ベトナムのコーヒー王」にインタビューするため、120頭の馬を飼育しているという高原の別邸に向かった。
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同氏は先日、ハノイ市で首相や農業農村開発相とベトナムのコーヒーに関する戦略を話し合ったという。同氏はベトナムや近隣諸国のコーヒー農家が貧困に喘いでいる現状を報告した。「ネスレやスターバックスといった大手企業が利益の殆どを持って行ってしまうため、20ドル(約1580円)のコーヒーを売って、彼ら(コーヒー農家)が手にするのは1ドル(約79円)にも満たない。」
「この状況が変わらないのはなぜだろう?」同氏は自問してきた。チュングエン社は現在60か国にコーヒーを輸出しており、米国や中国の市場にも浸透してきている。しかし、同氏は数十億ドル規模が動くコーヒー産業において、ベトナムはもっと販路を広げることができると確信している。
同氏はベトナム人には商魂が根付いていると考えている。「富める者が増えなければ国力は強まらない。」 2011年、チュングエン社は売上高1億5100万ドルを達成し、今年の売上高成長率は78%と見込んでいる。今後はさらに世界を舞台に展開していく予定だ。
南シナ海の領有権争いなどで、ベトナム・中国間の緊張が高まることは、経済にも少なからず影響するが、それでも同氏は自信を持って語る。「チュングエンコーヒーを中国市場で普及させ、全ての中国人の財布から毎年1ドルを消費させることは決して不可能なことではない。」