ユンちゃんの家族が彼女の「障害」を知らされたのは彼女が生まれるほんの6日前だった。その前までは健康な赤ちゃんだと医者には知らされていた。
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タンさんによると、ユンちゃんが生まれる年に疫病が流行し、村の大勢の人が高熱を出して何日もうなされた。彼女の母親もその1人だった。
生まれてまもなく、ユンちゃんはすぐに近所で有名人になり、たくさんの人が彼女を訪ねてきた。誰もが彼女に同情し、すぐにでもなにかしてあげたいと言ってくれる人も少なくなかったという。しかし、実際に彼女のもとに集まった寄付金はわずか36万ドン(約1385円)に過ぎなかった。
それでも彼女はたくさんの愛情に包まれて暮らしている。
ユンちゃんの村には子供に恵まれない夫婦が多い。それもあってか、ユンちゃんは村のみんなに娘のように、たいそう可愛がられているという。「親戚をはじめ、村のみんなには感謝をしてもしきれないぐらい大変お世話になっています。みんながひとつの家族みたいですね」とタンさんは話す。
彼女の名前である「ソン・ユン」はベトナム語で「山羊」という意味だそうだ。名付け親は祖父のタンさん、山羊は彼の一番好きな動物だという。「きっとこれから彼女はたくさんの困難に直面するでしょう。でも、彼女は1人ではありません。いつも私たちがついているのです」