ハノイの若者たちの間で今野球が人気を集めている。あちこちに野球場が出現し、ベトナムではまだ目新しいこのスポーツを楽しむ学生たちの姿を目にすることができる。市内中心部にある統一公園では毎週土曜日の朝、大学生や教員たちがバットやグローブなどの道具を持ち寄って集合する。彼らの通う大学はハノイ自然科学大学、ハノイ建築大学、ハノイ工科大学などさまざまだが、野球に夢中な点では共通している。
「野球道具一式をそろえるにはとてもお金がかかります。全部で約1000万ドン(約5万4000円)になってしまいます。野球場も条件が整っているわけではありませんが、ここに来ると同じ趣味の仲間と会えてとても楽しいです」 そう自然科学大学の学生フン君は言う。
集まるのは男子学生だけではなく女子学生も多い。工科大学の女性学生グエン・ティ・フエさんが野球に触れたのは、ある日本語教師の紹介がきっかけだった。今や彼女にとって野球は欠くことのできないスポーツ兼楽しみになっているという。フエさんはこう語る。「野球をやるようになってから、ストレスから解放されて以前より自信や積極性が持てるようになりました」
ベトナムで野球は、単なるスポーツという以外にストレス解消や自主性や積極性を養う効果があるとして注目されているようだ。