ホーチミン:タクシーの仁義なき戦い

2006/07/27 07:15 JST配信

 ホーチミン市はバイクと並んでタクシーの数が非常に多く、観光客など多くの人が利用している。しかしその裏では、各社タクシーの間でヤクザまがいの熾烈な客獲得合戦が日々繰り広げられている。例えば大きな病院や有名ホテルなどには各社の「縄張り」があり、「よそ者」が乗り込もうものならすぐに言い争いが始まるといった具合だ。

 手が出るのも珍しいことではない。あるときロータリーでタクシー同士が接触し、口論になった。やがてカッとなった一方の運転手が相手の顔を殴ったのだが、殴られた運転手は何も言わず車に戻ると、無線で何かを告げた。すると5分もしないうちに仲間のタクシーが数台集まり、殴った運転手はあっという間に袋だたきにされてしまった。しかし最近は公安の目が光っているため、派手な殴り合いはせず、車の陰でみぞおちに一発くらわすのが主流になっている。相手が腹部をおさえて苦しがっても腹が減ったようにしか見えないので、公安にも見つかりにくいうえ、効果は絶大だという。

 タクシー会社の他に、組合に所属する個人タクシーもいる。地元の人々は、無線を持たず、客がいる場所を案内する係がないことから、これらのタクシーを「盲目タクシー」と呼ぶ。この「盲目タクシー」は地元のヤクザと結びついていることが多く、彼らの縄張りに他社のタクシーが5分以上停車することはない。その縄張り内では、他社のタクシーは客を降ろすことはできても拾ってはならない、というのが暗黙のルールなのだ。

 時には他社のタクシーに乗り込もうとした客を、「盲目タクシー」の運転手が数人がかりで奪おうとすることもある。タクシーに乗る際は客側も注意が必要だ。

[2006年7月21日 Saigon Tiep Thi]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

新着ニュース一覧

 ホーチミン市の洋菓子店「ル・プチ・ローラン(Le petit Roland)」は、南部解放・南北統一50周年を記念...
 南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)記念事業の一環として、ホーチミン市1区人民...
 栃木県鹿沼市の市文化活動交流館芝生広場で4月19日(土)、「2025ベトナムフェスティバルinかぬま」が初...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 2025年4月4日、ベトナム戦争末期の米軍による「オペレーション・ベビーリフト」の航空機墜落から50年を...
 米国の半導体大手クアルコム(Qualcomm)は16日、ハノイ市で行われたグエン・チー・ズン副首相との会談で...
 ハノイ市ナムトゥーリエム区の国家会議センターで16日夜、ベトナムにおける3件のプロジェクトを対象と...
 政府は15日、少額取引決済向けのモバイルマネーの試行期間を延長する決議第87号/NQ-CPを公布した。 ...
 ライオン株式会社(東京都台東区)は、ベトナムの持分法適用関連会社で、医薬品・医療機器の製造販売を中...
 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、フェニカー大学(Phenikaa University、ハノイ市)を、「構成大学と...
 ベトナム空港社[ACV](Airports Corporation Of Vietnam)は4月19日、4月30
 ブイ・タイン・ソン副首相は15日、「2021~2030年国家電力開発計画及び2050年までのビジョン(第8期電力...
 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計によると、2025年3月の訪日ベトナム人の数は前年同月比▲5.0%減の6...
 ベトナム航空局(CAAV)によると、2025年1~3月期の航空各社の旅客輸送量は前年同期比+9.2%増の約2070万...
 ホーチミン市人民裁判所は14日、メンバー6万6000人近くの売春斡旋ルートを組織した元締めのグエン・フ...
 日本の財務省が発表した2025年3月の貿易統計(速報)によると、ベトナムの対日貿易収支は前年同月比2.35...
トップページに戻る