シンガポールの高級ショッピングモール、ラッフルズセンターにViet-Inspired Deliというサイゴン風サンドイッチの店がある。この店のオーナーのウェイ・チャンさんは生粋のシンガポール人だが、カナダ留学中にベトナム人の店で口にしたサンドイッチの美味しさが忘れられず、帰国後自ら店を始めることを決意した。
今でこそチャンさんの店は毎日100食以上の売り上げを誇っているが、当初は何度試行錯誤を重ねても固過ぎず柔らか過ぎない絶妙なパンの歯ごたえが再現できず大変苦労したという。結局、チャンさんは自らサイゴンを訪れて何軒ものサンドイッチ屋の味を研究し、さらに有名シェフらから製法の手ほどきを受けて納得の味にたどりついた。「サイゴン風サンドイッチは単なる手軽な軽食ではなく、フランスとベトナムの食文化が融合された特別なもの。」と語るチャンさんは、今後はシンガポールのみならず世界規模でサイゴン風サンドイッチの地位向上と普及に努めたいと意気込んでいる。